2013年10月02日

メンタルヘルス対策とストレスチェックが義務化?

あらゆる企業に、メンタルヘルス対策、ストレスチェックが義務付け?
企業にとっても影響の大きいこんな法改正が現実になるかもしれません。


【法改正の動き】
現在厚生労働省では、労働安全衛生法の改正案について審議しており
その改正案の中心になるのが、企業におけるメンタルヘルス対策なのです。

この改正案、実は以前(2011年12月)にも国会に提出されたのですが
当時の政治状況もあり関係者の意見がまとまらず、廃案になりました。
厚生労働省は、来年の通常国会で再提出を目指しているようです。
そうすると、来年前半にも改正案が成立ということもありえます。
成立すれば、一定の期間をみて2015年4月頃から実際にスタートとも
言われております。


【具体的な内容とは】
では具体的にどのようなことが義務付けられるのでしょうか。
前回法改正が検討されたときの枠組みは次の通りで、これは大きく
変わらないのではないかと思います。


                        (労働政策審議会安全衛生分科会資料より)

要するに、医師か保健師によるストレス状況に関する検査を行うことが義務付けられ、
本人が希望した場合には、医師の面接指導を受けさせなければならないという
ことになります。
一方で、検査の結果については、本人が同意しない限り会社としては知ることが
できないことになります。
対策には問題点がいくつか考えられますが、もう少し具体的な内容がはっきりして
から考えていきたいと思います。


【これからの動向に注目】
メンタルヘルスの問題はだんだん重くなってきて、労災認定されたケースに占める割合も
増えてきてます。
企業が従業員の健康管理で取り組むべき課題の大部分になりつつあります。
国(厚生労働省)としては、対策を義務付けることで、なんとしてもこの問題の拡大、増加を
防ぎたいのだと思います。


                    (労働政策審議会安全衛生分科会資料より)


とにかくいえることは、各企業にメンタルヘルス対策が義務付けられれば、
費用や労力の面での負担は増えることになります。
一方、法改正によりメンタルヘルス対策の重要性がピックアップされることにより
企業と従業員双方の意識が高まり問題の改善に向けた取り組みが加速
することも考えられます。

そのためには、企業への支援のあり方、それから学校を卒業する前の教育現場や
地域社会での取り組みなど考えなければならない問題がまだまだあります。

私も、社労士としてこうした問題の改善、解決のために各企業にどのような支援が
できるのか、じっくり考えていきたいと思います。



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Posted by 早田 晋一 at 16:18│Comments(0)トピック
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