2013年10月23日
限定正社員というのが話題になってますね〔前編〕
最近新聞などでも「限定正社員」というのが話題になっています。
産業競争力の強化や規制緩和の点から、導入を進めることが
政府で議論されているようです。
これは通常の「正社員」とどのように違うのでしょうか。
【共通点】
限定正社員もこれまでの正社員も、「正社員」であることには変わり
ありません。ですから、契約社員やアルバイトなどの有期契約では
なく、期間の定めのない雇用になります。
【違う点】
これまでの正社員は、いわば「無限定正社員」と言えます。
何が無限定かというと、働く場所(勤務地)や働く内容(職務)、
時間(労働時間)です。
つまり、「どこに転勤になってもいい」「どんな仕事内容になってもいい」
そして「残業もいとわない」という働き方が「無限定社員」です。
逆に、勤務地や職務、労働時間などを限定する働き方を「限定正社員」と
言います。
【話題になっている背景①】
最近起こっている長時間労働による過労死や「ブラック企業」、そして
パワハラなどの問題は、働き方が「無限定」であることが要因の一つと
なっています。
こうした問題を改善するための一つの方策として、労働時間や勤務地、
職務を限定した働き方に焦点があてられています。
【話題になっている背景②】
働く側としても、勤務地や時間などを限った働き方にしたいという
ニーズが高まっており、さらに有期雇用よりも安定していることから、
注目が集まっています。
限定正社員は転勤や残業などが原則ないので、子育てなどが
しやすくなります。また、仕事の専門性を磨きたい方にとっても、
仕事内容が変わらないので専門性を高めやすくなります。
一方、企業側からも、特に女性などの多様な人材の参加を進めよう
とする際に、限定正社員の枠を設ければ、その活躍の場を多く作る
ことができるというメリットがあります。
限定正社員が話題となっている背景は他にもあります。
それは、最近行われた労働契約法改正による影響と、「解雇」の
しやすさに関する関心の高まりです。
続きは次回後編で…
Posted by 早田 晋一 at 21:32│Comments(0)
│トピック